動脈硬化
動脈硬化というのは、動脈の弾力性が失われてもろくなり、内腔も狭くなって血液の流れが妨げられた状態をいいます。
主な原因は、動脈の内壁にコレステロールをはじめとする脂質が蓄積したりすることで、現在、三大成人病というと、ガン、心臓病、脳卒中をさします。
このうち、脳卒中は、動脈硬化の症状が進み、脳に合併症を引き起こしたものです、腎臓との合併症として腎硬化症、血管の場合は高血圧症や大動脈瘤破裂といった合併症を招きます。
そして心臓に合併症を起こすと、狭心症や心筋梗塞を招きます。狭心症とは、心臓をとりまく冠動脈の動脈硬化をいいます。一時的に心臓に届くはずの血液が滞り、心筋(心臓の筋肉)が酸欠状態となるのです。そのため発作的に左前胸部付近に痛みが覚えますが、通常、数秒?2,3分程度で発作はおさまります。心筋梗塞は、動脈硬化で狭くなった冠動脈に血液の塊(血栓)ができて、血液がせき止められ、その先の細胞に血液が行かなくなって細胞が死んでしまう状態です。締め付けられるような激しい激痛が胸を襲います。狭心症と違い、発作は30分から数時間、あるいは数日間に及ぶことがあります。また安静にしていても治ることもなく、ニトログリセリンの効果もない、恐ろしい心臓病です。
つまり、動脈硬化というのは、主な成人病を招く重大な促進要因となるのです。動脈硬化は生まれつきの体質によることもありますが、動物性脂肪のとりすぎや肥満、高血圧、喫煙は、動脈硬化を促進させるといわれます。また、運動不足やストレスも重大な促進要因となります。
動脈硬化の危険信号
成人病、特に三大成人病といわれる「ガン」、「心臓病」、「脳卒中」うち、特に脳卒中の(一部、心臓病の)要因ともなりかねないのが、動脈硬化です。
動脈硬化は、気づかないうちに症状が進んでいた、ということがよくあります。
気づいたときには、もはやどうにも手の施しようがないほどになっていた、脳卒中や狭心症、心筋梗塞といった、生命の危険を伴う合併症を引き起こすまでになっていた、ということがないよう、動脈硬化の症状を理解し、日ごろから関心をもって注意していることが大切です。
脳の動脈硬化の危険信号・・・症状が進むと脳卒中の危険があります。
●物が二重に見える。かすむ。目が疲れてしょぼしょぼする感じがする。
●手足がしびれる。
●めまいやふらつきがする。
●耳鳴りがする。
●物忘れ、言葉が思うように出ない。
●いらいらする。
心臓の動脈硬化の危険信号・・・症状が進むと狭心症、心筋梗塞の危険があります。
●歩いていると胸に痛みがある。
●食後に胸が痛む。
●夜明けや朝方に胸が苦しくなる。
●身体がけだるく、疲れが出やすい。
手足の動脈硬化の危険信号
●手足がむくむ。
●手足がしびれる。
●手足の皮膚の色が赤紫色になっている。
●歩くと足が痛くなるものの、少し休むと痛みが消え、また歩けるようになる。
●手足の脈が感じられない。
腎臓病の動脈硬化の危険信号・・・症状が進むと腎硬化症の危険があります。
●顔、手足がむくみ。
●夜中に3回以上トイレに行く。
●尿検査でたんぱく尿が出ていた。
動脈硬化を予防する生活習慣
三大成人病(ガン、心臓病、脳卒中)のなかでも特に、脳卒中の促進要因ともなりかねない、動脈硬化を予防するための方法を幾つか、生活習慣に取り入れていくことで、自分自身の努力で状態を改善してみましょう。
動脈硬化は、食生活を改善し、日常生活に適度な運動を加えていくことで、自分自身の努力の効果を期待できる余地のある病気だともいえます。自分の身体の健康に対して、自分の力で何か良いことができるというのは、実はとても幸せなことではないでしょうか。
動脈硬化を予防するための生活習慣10か条
1.肉の脂質、バターは避けましょう。同じ牛肉でも、ロースとヒレでは脂質の量がまったく違います。また鶏肉なら皮の部分をとって調理することで脂質をずいぶんと減らすことができます。
2.食塩は控えめに! 1日10g以下にします。インスタントラーメンのスープを全部飲み干してしまったらどれほどの塩分になるか・・・残す努力を!
3.野菜や果物をたっぷり食べましょう。
4.甘い物はなるべき控えましょう。
5.食事は腹八分目を心がけます。満腹で動けなくなるまで食べる必要・・・ありますか?
6.毎日適度な運動を習慣化しましょう。運動することで血液の循環がよくなり、血管の内壁にへばりついていた障害物が取り除かれます。
7.お酒はほどほどに!
8.禁煙またはせめて本数を減らす努力をしましょう。
9.ストレスをためない、うまく発散する「コツ」を身につけましょう。
10.極度な寒さにさらされないようにしましょう。
動脈硬化関連エントリー
- 動脈硬化
- 成人病とは、成人以後、年をとるごとに発症することが増えてくる疾患をまとめて「成人病」といいます、また生活習慣が原因となっている場合が多いことから「生活習慣病」とも呼ばれています。
- 動脈硬化の危険信号
- 成人病とは、成人以後、年をとるごとに発症することが増えてくる疾患をまとめて「成人病」といいます、また生活習慣が原因となっている場合が多いことから「生活習慣病」とも呼ばれています。
- 動脈硬化を予防する生活習慣
- 成人病とは、成人以後、年をとるごとに発症することが増えてくる疾患をまとめて「成人病」といいます、また生活習慣が原因となっている場合が多いことから「生活習慣病」とも呼ばれています。